INFORMATION

【インタビュー:Mo-House 光畑由佳さん】授乳ブラが生まれた理由

「授乳ウエディングドレスが生まれた理由」
有限会社モーハウス 代表取締役社長 光畑由佳さんにお聞きしました。

会社設立は、今から20数年前。ご自身のはじめての出産、子育て時に遡ります。
生後間もない長女を連れて外出した時に、母乳で育てていた光畑さんは、出先で急に泣き出した娘さんを授乳する際に人前で胸を出さないといけない恥ずかしさに母乳育児をしながら外に出ることのむずかしさを実感したそうです。当時、自分の肌や胸を見せずに授乳が出来る様な服はありませんでした。赤ちゃんが母乳を欲しがれば、肌を見せることなく、いつでもどこでも授乳できるような機能的な服があれば・・・と思った事が、国内初の授乳服を発売した最初のきっかけでした。

友人のデザイナーさんにお願いして試作をつくってからすぐに販売を開始、とはいえ、本格的に販売するようになるまでに5年かかりました。そして現在まで、光畑さんは一貫して子どもを持つお母さんがどうしたら子育てを健やかにできるか?と考えています。
まずママ達が、授乳を気にしないで外出できるようになれば、仮に親御さんや頼りになる様な方が近くにいないママ達も安心して出かけられ、リスクも軽減できます。いまや、お手頃な価格での授乳服はいろんなネットショップで販売されています。でも、それはそのお洋服だけで完結できるものではなく、どうしてもママの肌と一緒に赤ちゃんの顔も隠してしまうようになっています。授乳の醍醐味は赤ちゃんがママの胸の温かさや心臓の音を肌で感じ、顔を見ながらできると言うことがあります。
それが、ケープなどで隠してしまうと、顔が見えない。かぶせるので赤ちゃん自体が暑くなり、呼吸もしづらいと言うことがあるように思いますが、プレママやこれからお子さんが欲しいと思う方達には、同じ授乳服でも、それだけで完結する、肌が見えない「授乳服」があること自体、知らない方が多いのも現実です。

赤ちゃんがお腹がすいたときに1秒で授乳出来るように。また、どこからみてもママの肌が見えないように、授乳口の改良を重ねて商品化しています。いまや、授乳服だけではなく、インナーの肌着、モーブラ(授乳用ブラジャー)と着て外出すると、すぐに授乳出来る様に商品が出来上がっています。

モーハウスさんは、子連れ出勤も認めています。つくば市の本社にはじめて伺ったときは、赤ちゃんをおんぶして、又は抱っこして事務作業や会議を行っていました。今もそれは変わらないとのことです。現在、働き方改革と言われるようになり、まだまだ乗り越えなくてはならない課題はあると思いますが、光畑さんが思い描くママ達の支援に少し近づいてきたのかもしれません、ここ数年自治体の子育て支援や民間企業とも連携した取り組みも行っています。

私が光畑さんを知ったのは2000年代後半でした。同じ茨城県内に自分の想いでゼロから立ち上げてやっている経営者がいる!!と。一方的にすごいなぁ・・・と思っていたのですが、そこからはじめて光畑さんにお逢いしたのが2013年の春でした。随分かかりました(笑)
実は、自分自身がウエディングの現場に入る中で妊娠中のお客様を担当することも多く、産んだあとに安心してお披露目できたら・・・と漠然と思っていました。でも既存のドレスではドレス自体が重かったり、脱ぎ着が手間がかかり、授乳を母乳でされている方は難しいだろうと言うことがあり、何か対策はないかな?と思ったときに光畑さんのコトを思い出しました。

何が出来るか?はわからない中でお逢いするお約束をし、つくばの事務所に伺いました。そのときに、先ほど書いたように赤ちゃんをおんぶしている方がいたり、抱っこしている女性の姿に自分のときとの違いに感動した事を思い出します。そこから、お話しをし、無理難題な事でしたが、その数年前に同じように光畑さんも思って試作品を創った事があるとの事で、一緒に商品企画から制作をはじめました。

試行錯誤すること400日
完成したドレスは軽く、通常のモーブラを付けてその上に着て頂くことで着心地もよく、赤ちゃんにとって肌触りもいいウエディングドレスになりました。
お披露目した2014年のときにはテレビで取り上げていただき、新聞にも掲載頂きましたが、シンプルなデザインに興味を持って頂く方は多かったのですが、問い合わせはあるものの、実際、着て頂く機会が無かったのが残念です。今回eclat houseオープンにあたり多くの皆様に「モーブラ」を知って頂きたいと、真っ先に取材をお願いしようと訪ねました。

進化したモーハウスの記憶商品を見せていただき、本サイトで取り扱う商品として、マタニティでも産後授乳中でもつかえる「防災Tシャツ」です。
災害が多い日本において、それがいつ自分の事になるかはわかりません。被災経験のあるママと専門家の意見を反映させた商品です。この商品のコンセプトに共感し、是非、このサイトにおいて、お母さんになったママへのギフトとして選んでいただければ嬉しいです。

この「防災Tシャツ」と「モーブラ」セットを贈る事で普段使いにも、いざというときにも役立つアイテムとなってくれます。
SDGsでいえば、母乳は究極のSDGsであるということ。哺乳瓶を使ったり、ミルクを入れるお湯が必要だったりしますが、母乳であればお母さんから直接飲むことができます。

でも、こうして母乳育児の良さは伝えているけれど、「母乳が出ない」人もいる・・・とそんな人達にプレッシャーになるのでは?という意見も聞こえてくる。出産後、人によって母乳が出やすい人もいますが、すぐに出づらい人もいます。
産院では、入院中粉ミルクをあげている現状で、そんなに積極的に母乳を!とはならずに、ミルクにそのままなってしまう人が増えているということ。光畑さんは、本来、環境さえ整えば、母乳が出ない人はほぼいないとおっしゃっていました。
私自身、長男も次男も母乳とミルクの混合で育てました。ただ、長男の時は産後乳腺が詰まったのか、カチカチになって、痛くて、熱を持つくらいになりました。そのときに正しい母乳のあげ方がわかっていたらちがったのかな?と思っています。
eclat house 会員の皆様にお伝えすることで、母乳での悩みなどママ友同士の交流でサポートできれば幸いです。

光畑さんは「自分は出ない人」と思ってしまうのはさみしい事だなぁとおっしゃいます。昨今、子供が減り、母乳育児の事も積極的に産院で進めなくなる危機感を感じている中で究極のSDGsになる母乳育児とワンオペの育児にならないように、少しでも母乳で赤ちゃんを育てているママに少しでも育児ライフに外出を楽しんでもらいたいと思います。

eclat houseの商品が、ライフスタイルに記念日の贈り物に、もらった方に安心と幸せ気分をお届けできるものをご紹介していきます。

取材 山本 恵