【インタビュー:吉田屋 大山 壮郎さん】
老舗梅干し屋 𠮷田屋
〒311-1301
茨城県東茨城郡大洗町磯浜町624
大洗町で天保元年(1830年)から続く老舗の「𠮷田屋」さん。梅干をメインで漬物商品の開発・製造・販売を行っています。
大山壮郎さんは先代の父・岳夫さんのあとを継ぎ、𠮷田屋の八代目として跡を継がれ、県内の梅での商品開発やカフェの運営、県内の酒造会社と開発した梅酒、梅を使ったシロップ、地元の高校生が商品企画を行うプロジェクトなどの参加など常に自分が出来る事を見極めながらチャレンジされています。
そもそも、梅干しというとどうしても「紀州」という絶大なブランドがあり、偕楽園で毎年歴史ある梅まつりがあるのに茨城県には梅干しというイメージが無い事から、ずっと県内に生産者がいないのか?と思っていた大山さん。そんなときに『茨城県の梅ブランド』を!と動き始め、生産者選びからはじめられました。農商工連携事業計画から霞ヶ浦の生産者さん達と出会い、『露茜』という品種にも出会い、2013年『常陸乃梅』という茨城県産梅ブランドが誕生しました。
私が大山さんと出会ったのもその頃でした。その頃に聴いたのが、梅をメインにしたカフェを創ろうと頑張っていたときでした。実は国内には「梅」をメインにしたカフェはない!!とのこと。そして、2014年に全国初の梅専門カフェ「ume café WAON」をオープン!!
開店当初からたくさんの方が来店、今もお店のファンの方がいらっしゃっています。カフェメニューも少しづつ増えてきています。「モノ」を売っているだけではわからなかった事が、お客様と対面で接客することで直接商品の声をもらえることもあるそうです。
そんな𠮷田屋さんが今回、自社の梅干しのパッケージを全面的にリニューアルする!という事を聞きました。
大山さんは茨城県大洗町という海岸の町に生まれ育ったのですが、毎年海のゴミの多さに驚いていたそうですが、そんな事から10年以上前から夏休み前の海岸のクリーン活動をはじめました。毎年の恒例とのこと。海に訪れる方に気持ちよく過ごしてもらう為に続けているそうです。
そして、皆さんも梅干のパッケージというと、丸や四角のプラスティックの透明な容器を思い浮かべると思いますが、𠮷田屋さんの商品もそうです。でも、大山さんは、ここ数年そのプラを削減出来ないか?そして二酸化炭素の発生を減らせないか?と考えていました。とはいえ、そんな簡単な事ではありませんでした。
酸があり、汁もある梅干をプラでない容器となると何に入れるのか?「紙」にいれようと思った時に、防水でやってくださる地元の紙をあつかっている企業が見つかり相談をされました。そうすることでプラを65-75%減らす事が出来る事がわかり、真剣に取り組むことを決めたそうです。そして、創業200年を迎える2030年に向けてブランディングの見直しも考え、SDGsも踏まえていずれ全商品の紙パックへの切り替えをしていこうと動き始めました。
今回紹介するこのカラフルで楽しくなる商品はギフトとして「梅干し」をおくってもらいたいと思っているそうです。
青・・・無添加。黄色・・・甘い。赤・・・梅干しとして基本??
この3月から5月に先行販売をしたら大きなPRをしなかったにも関わらず全部で500コあまり売れたそうです。
そして大山さんは2年前からペットボトルのドリンクを利用しなくなり、マイボトル生活をしているとのこと。いずれ自分のところの梅干しもマイボトルのように、専用のマイ容器で梅干しが買えたら?と考えているそうです。常に前を向き、困難な事があっても、有言実行されてきた大山さんのこれからの商品を応援し、𠮷田屋さんの取組みを皆さんに知ってもらいたいと思っています。